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ヘリコプターの中は真っ暗になった

「やれやれ。お次はみんなでパーティ用の帽子でもかぶって、どんちゃん騒ぎなんてこと
になるんじゃないですか」「話はまだある」「でしょうね」ここまでの状況を考えると、何でもありだろう。

「すまない」ロ、ハーッは髪を片手で柿いた。ほかの隊員と同じように長い髪だ。部隊が諜
報活動を行なっている時、一般市民にまぎれこみやすいからだった。「武装ヘリが一帯の
不審な動きを一掃し、われわれが進みやすいようにしてくれた。だが、戦闘部隊の支援に
呼び戻されたため、これ以上は助けにならない」


「まったくくそくらえだ」
SEALが限界に挑むのは珍しくもなかった。いや、限界以上のことにも。年中、そん
な経験をしていたのだ。


「だから着陸地帯を変えるんだ」
それでも、もう一つの選択肢は、選択肢とも言えなかった。
山のてつぺんに着陸するなんて、ヘルメットに赤い電球を光らせてサイレンを鳴らして
いるようなものだろう。ぴょんぴょん飛び上がって、こう叫んでいるにも等しい。〃おー
い、おれたちはここにいるぞ。完全武装した過激なテロリストさんたちよ!さあ、撃っ
てごらん

しかし、辞書で「柔軟性」という言葉を探せば、「特殊部隊の戦闘テクニック」の項目
に出ているに違いない。
「危険性がゼロならいいという人間を求めたければ、ガールスカウトでも送り込むほうが
ましだからな」ザックはつぶやいた。
階級が上だから、任務を決定するのは大尉の仕事だった。ザックの仕事はその達成方法
を見つけることだ。
困難なことでも、ザックの部隊はたちどころにやってのけるだろう。
不可能なことを達成する場合には、もう少し時間がかかるが。
明るい面は、操縦士のシェーン・ギャレットー陸軍のエリートである、第160航空
特殊部隊、通称ナイト・ストーカーズの一員Iがヘリコプターの操縦の達人だというこ
とだった。この九カ月あまりにわたって、彼が操縦するヘリのおかげで何度となく部隊は
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任務を成功させてきた。だから、シェーンは幸運のお守りのように考えられていた。
ややあって、不格好なチヌークはようやく離陸した。乗員はザックの部隊、レンジャー
部隊、海兵隊、そしてCIA諜報員が二名だった。諜報員の一人は、イラクでサダムを追
い始めた日からザックが見覚えのある男だ。SEAL隊員たちは暗視ゴーグルを目の上に
引き下ろした。これがあると敵を見つけるのに有利なだけでなく、いかにもSEALらし
い。
銀貨のような月を雲が覆い、ヘリコプターの中は真っ暗になった。だが、ザックにはク
イン・マッヶイドが見えた。SEALの基礎訓練プログラム、BUD/Sでザックと一緒
スナイパースボッター
だったクインは、部隊の狙撃手となったのだが、観的手のサックス・ドウチェットの隣に
座っていた。サックスはルイジアナ州南部出身のケージャンで、iPOdのイヤホンから
聰こえるらしいジャズに合わせて体を動かしている。
海軍で訓練を受けた衛生兵のルーカス・チャフィーは、メディックバッグの最終点検を
行なっていた。昔の格言に倣って、楽観して最悪の結果に備える、という主義のチャフィ
ーは万全の準備をしている。ゞヘストバックも尋ハックパックも、それらからぶら下がってい
るサプライバッグも満杯になっていた。
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